「PMOはやめとけ」「つまらない」「辛い」――こうした評価がPMO業務に向けられる背景には、個人の能力の問題ではなく、案件のポジション設計によって意思決定から切り離される構造があります。この記事では、PMO支援コンサルティングの実務的な進め方を整理したうえで、「つまらない」「辛い」と感じられる構造的な理由、コンサルとPMOの違い、そしてPMOコンサルタントが次のステージへ進むための具体的な5つの戦略と、今すぐ実行できるアクションを提示します。
PMOからキャリアを拡張するために最も重要なのは、「PMO業務の外側に意図的に踏み出す行動を積み重ねること」です。スキルや資格の取得よりも先に、現在の業務の中で視座を上げ、成果を言語化し、自分のポジショニングを再定義する動きが求められます。
「PMOはやめとけ」「いらない」「意味ない」は本当か:批判への構造的な応答
PMOという役割そのものへの批判は、インターネット上で一定の割合で見られます。しかし、この批判を字面通りに受け取ると、重要な構造が見えなくなります。
「PMOはいらない」という批判の背景
「PMOはいらない」という評価が生まれる背景には、次のような案件構造があります。
- プロジェクトの意思決定プロセスが既に確立されており、PMOが「決まったことを実行する役割」としてのみ位置づけられている
- PMOが進捗報告・議事録作成・資料作成など定型業務のみを担当し、判断の主体として扱われていない
- クライアント側のPMや事業責任者が実質的な管理を行っており、PMOの存在が形骸化している
こうした案件では、PMOは確かに「いらない」と評価されやすい構造にあります。ただし、これはPMOという機能が不要という意味ではなく、そのポジション設計が機能していないという意味です。
PMOが「意味ある」案件の条件
一方で、PMOが明確な価値を発揮する案件も存在します。それは次のような条件を満たす案件です。
- クライアント組織にプロジェクト管理の型がなく、PMOがガバナンス設計・KPI設計・リスク評価の枠組み構築から関与できる
- PMOが意思決定プロセス自体を提案し、運用しながら改善する権限を持っている
- リスク分析や優先順位付けをPMOが主導し、経営層への報告内容の論点整理を担う
- プロジェクトの成否がPMOの設計した仕組みに左右される規模・複雑性がある
この違いは、求人票や案件概要には書かれていません。アサイン後に初めて分かることが多く、これが「PMOに配属されてから後悔する」という事態を生む一因になっています。
「やめとけ」と言われる本質的な理由
「PMOはやめとけ」という助言の核心は、「PMO業務に留まり続けることで、キャリアの選択肢が狭まるリスク」にあります。
PMO業務は、プロジェクトを支える役割として組織に不可欠ですが、外部市場から見たときに「PMO経験5年」という経歴が「PMO以外の仕事はできない人」と解釈されるケースがあります。これは、PMO業務の中で「判断の主体として動いた経験」が残りにくい構造に起因します。
ただし、これは「PMOを経験すること自体が悪い」という意味ではありません。問題は、どのようなPMO案件を経験し、その経験をどう次につなげるかという戦略の有無です。後述する「この案件は残る価値がある/ない」の判断基準を持つことで、PMO経験は次のキャリアへの強固な土台になり得ます。
コンサルとPMOの違い:意思決定の主体性という分水嶺
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の定義と役割
PMO(Project Management Office)とは、プロジェクトの円滑な遂行を支援・管理する機能です。コンサルティングファームにおいては、クライアントプロジェクトの進捗管理・リスク管理・報告書作成・会議運営・課題管理といった、プロジェクトを「支える」役割を担います。
PMO担当者は、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダーが意思決定に集中できるよう、情報の整理・可視化・調整業務を一手に引き受けます。特に大規模プロジェクトや複数ステークホルダーが関与する案件では、PMOの存在がプロジェクトの成否を左右することも少なくありません。
コンサルとPMOの違い:意思決定の主体であるかどうか
「コンサル」と「PMO」の違いを問う検索が多いのは、この2つの役割の境界が曖昧に見えるためです。しかし、構造的な違いは明確です。
コンサルタント(特にPM・戦略コンサル)
- プロジェクト全体の成果に責任を持ち、スコープ・予算・スケジュールの最終判断を下す
- クライアントの課題を定義し、解決策を立案・提言する
- 意思決定の主体として動き、その判断が評価・報酬・昇格の対象になる
PMO
- PMの判断を支えるための情報整理・調整・管理を行う
- 判断の主体ではなく、判断を支える補佐役
- 「支援した」「管理した」という実績は積めても、「判断した」という実績が残りにくい
この違いが、「PMOはつまらない」という評価の構造的な背景にあります。PMOは調整・管理のスキルを磨くことはできますが、意思決定の主体として動く経験は、案件のポジション設計次第でしか得られません。
ファーム内部でのPMOの位置づけと評価の実態
コンサルティングファームの内部評価では、「この人は何を判断したか」が昇格・異動の重要なエビデンスになります。PMO業務は「支援実績」として認められますが、「判断実績」として評価されにくい構造があります。
このため、PMO経験だけで上位職種(PM・マネージャー)へ昇格するのは難しく、意図的に「判断の痕跡」を残す行動が求められます。具体的には、リスク分析の提案、スコープ変更の影響評価、経営報告の論点設計など、PMO業務の中でも「判断に近い領域」に踏み込むことが有効です。
PMO支援コンサルティングの進め方:立ち上げから定着まで
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PMO支援の典型的なフェーズ
PMO支援コンサルティングは、一般的に次のような流れで進行します。
① 現状診断・課題特定(1〜2週間) クライアントの既存プロジェクト管理体制をヒアリングし、課題を特定します。進捗会議の実態、報告ルート、意思決定プロセス、リスク管理の仕組みなどを観察し、どこに支援の重点を置くかを定めます。
② PMO機能の設計・合意(1〜2週間) プロジェクトの性質とクライアント組織の成熟度に応じて、PMOが担う役割の範囲を設計します。進捗管理・課題管理・報告体制・会議運営・リスク評価など、どこまでをPMOが主導し、どこからをPM・事業責任者が判断するかを明確にします。
③ 管理基盤の構築・導入(2〜4週間) 課題管理台帳・進捗ダッシュボード・報告テンプレートなど、プロジェクト管理の「型」を整備します。ツール導入だけでなく、運用ルールの合意と関係者への浸透が鍵になります。
④ 伴走支援・定着化(プロジェクト期間中継続) 実際のプロジェクト運営の中でPMO機能を回しながら、クライアント側のメンバーに管理手法を移転します。週次の振り返りを通じてプロセスを改善し、プロジェクト終了後も自走できる状態を目指します。
導入時に決めるべき「PMOの権限範囲」
PMO支援の成否を分けるのは、PMOがどこまで判断できるかを最初に明文化することです。曖昧なまま進めると、PMOが「事務局」として扱われ、意思決定から遠ざかる構造が固定されます。
設計時に明確にすべき論点の例:
- スコープ変更要求の影響分析を誰が行い、誰が最終判断するか
- リスクの優先順位付けをPMOが提案できるか、それとも報告のみか
- 経営報告の論点整理をPMOが主導できるか
- 会議の議題設定権限はPMOにあるか
この設計次第で、後述する「つまらないPMO」になるか、「意思決定に関与できるPMO」になるかが大きく変わります。
「コンサルのPMOはつまらない・辛い」と言われる構造的な理由
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つまらない・辛いと感じる瞬間:意思決定から切り離される構造
PMO業務が「つまらない」「辛い」と感じられる最大の理由は、判断の主体として扱われない案件構造にあります。
具体的には、次のような場面で「自分は調整役でしかない」という感覚が生まれます。
- リスクを発見して報告しても、対応策の検討はPMや事業責任者が別の場で行う
- 課題の優先順位を整理しても、最終的な判断は自分の関与しない会議で下される
- 経営報告の資料を作成しても、論点設定や提言の部分はPMが書き直す
- プロジェクトの成果が出ても、「PMO担当者」としてではなく「サポート」として扱われる
- 自分の提案が採用されず、「PMOの役割はそこではない」と線を引かれる
この構造は、PMO個人の能力の問題ではなく、案件のポジション設計によって生まれます。同じPMO業務でも、ポジション設計次第で経験の質は大きく変わります。
調整役で終わる案件と、意思決定に関与できる案件の違い
PMOのポジション設計は、クライアント組織の成熟度とプロジェクトの性質によって大きく変わります。この違いは求人票や案件概要には書かれていないため、アサイン後に初めて気づくことが多いのが実情です。
「調整役PMO」の案件構造
- クライアント側に既に確立されたPM・意思決定プロセスがある
- PMOは「決まったことを実行する役割」として位置づけられる
- 進捗管理・議事録作成・資料作成など定型業務が中心
- PMやクライアント側責任者が判断の主体として動き、PMOは補佐に徹する
- この構造では、PMOは「つまらない」「辛い」と感じやすく、キャリアに活きる経験も蓄積されにくい
「変革支援PMO」の案件構造
- クライアント側にプロジェクト管理の型がなく、仕組みづくりから支援する
- PMOがガバナンス設計・KPI設計・リスク評価の枠組み構築に関与できる
- 意思決定プロセス自体を提案し、運用しながら改善する権限がある
- 経営層への報告内容の論点整理をPMOが主導する
- この構造では、PMOは「仕組みを作る」経験を積むことができ、キャリアの幅が広がる
アサイン時に見極めるべきポイント:求人票に書かれない構造を確認する質問
案件アサインの段階で、自分がどちらの構造に入るかを見極めることが重要です。次のような質問を上長やPMに投げることで、ポジション設計の実態が見えてきます。
- 「このプロジェクトでPMOが担う判断の範囲はどこまでですか?」
- 「リスク分析や優先順位付けは、PMOが提案する形ですか、それとも報告のみですか?」
- 「クライアント側の意思決定プロセスは既に確立していますか、それともこれから作る段階ですか?」
- 「経営報告の論点整理は誰が主導しますか?」
- 「過去にこの案件構造でアサインされたPMOは、その後どのようなキャリアに進んでいますか?」
最後の質問は特に重要です。「調整役PMO」の案件が続くと、社内評価でも「PMO専任」として固定され、PM・上流コンサルへの異動が難しくなる構造があります。
この案件は残る価値がある/ないの判断基準
PMO案件に1年以上留まる場合、次のいずれかを満たしているかを自問する必要があります。
- 変革支援型で権限があるか:ガバナンス設計・意思決定プロセスの構築に関与でき、「仕組みを作った」実績が残る
- ドメイン専門性が深まるか:特定業界(金融・製造など)や機能領域(SCM・ERPなど)の知見が蓄積され、市場価値が上がる
- 上流への道筋が見えているか:PM・ITコンサルへの異動・昇格の具体的な道筋が社内で示されている
このいずれも満たしていない「調整役PMO」案件に長期間留まることは、キャリアリスクになります。異動希望を出すか、転職を含めた選択肢を検討すべきタイミングです。
PMO業務が持つ構造的な限界とは
「つまらない」「辛い」という感覚の背景には、PMO業務が持つ構造的な特性があります。
PMOの仕事は、プロジェクトの進捗管理・リスク管理・報告書作成・会議運営など、プロジェクトを「支える」役割が中心です。これ自体は組織にとって不可欠な機能ですが、問題は「誰が何を決めたか」という意思決定の主体が、PMOではなくPMや事業責任者にある点です。
結果として、PMO担当者は「調整した」「管理した」という実績は積めても、「課題を定義した」「戦略を立案した」「ビジネス成果に直結する判断をした」という経験が蓄積されにくい構造になっています。これが、外部から見たときに「PMO経験=上流スキルが弱い」と評価されやすい一因です。
PMOに留まり続けるリスクを正しく理解する
PMOとして同じ業務を繰り返すことで生じるリスクは、スキルの停滞よりも「市場での文脈が固定されること」にあります。転職市場やフリーランス市場では、「PMO経験5年」という経歴が、「PMO以外の仕事はできない人」と解釈されるケースがあります。
ただし、これは「PMO経験に価値がない」という意味ではありません。PMO業務を通じて培われる、複数ステークホルダーの調整力・プロジェクト全体を俯瞰する視点・リスクを先読みする習慣は、上位職種でも高く評価されるスキルです。問題は、その価値を自分自身が言語化・発信できていないことにあります。
PMOの将来性をどう考えるべきか
「PMOに将来性はあるのか」という問いに対しては、役割としてのPMOの需要と個人のキャリアとしてのPMOを分けて考える必要があります。
役割としてのPMOは、DX推進・大規模システム刷新・グローバルプロジェクトの増加に伴い、需要は安定的に存在します。特にプロジェクトの複雑性が増す中で、PMOの専門性は今後も求められ続けるでしょう。
一方、個人のキャリアとしては、PMO業務に留まり続けることで選択肢が狭まるリスクがあります。将来性があるかどうかは、「PMO業務をどう経験し、どう次につなげるか」という本人の意識と行動次第です。後述する戦略を実践することで、PMO経験は次のキャリアへの強固な土台になり得ます。
PMOのキャリアパス:役割の階段と分岐点
PMO内部での昇進ルート
PMOとしてのキャリアパスは、一般的に次のような階段を登ることになります。
- ジュニアPMO・PMOアシスタント:進捗管理・議事録作成・資料作成など定型業務を担当
- PMOコンサルタント:複数プロジェクトの管理、リスク分析、報告プロセスの設計を主導
- シニアPMO・PMOリード:PMOチームの統括、プロジェクトガバナンスの設計、経営層への報告責任
- PMOマネージャー・PMOヘッド:組織全体のPMO機能の構築・運用、複数プロジェクトポートフォリオの管理
この昇進ルート内では、PMOとしての専門性を深め、より大規模・複雑なプロジェクトを扱う経験を積むことができます。ただし、この縦の昇進だけでは、意思決定の主体としての経験は得られにくいという構造的な限界があります。
PMOからの主な分岐点
PMOとしての経験を土台に、次のような横への分岐が考えられます。
① PMへの移行 プロジェクトの成果責任を持つPMへのステップアップ。PMO業務で培った調整力・俯瞰力を活かしつつ、意思決定の主体として動く経験を積む。
② ITコンサル・業務コンサルへの転換 ドメイン知識や上流工程への関与を積み重ねることで、課題定義・戦略立案を担うコンサルタントへ。
③ 事業会社の内部PMO・DX推進部門 コンサルファームから事業会社へ転じ、社内プロジェクトの推進や変革を内側から支える役割。
④ 独立フリーランス 特定業界・規模のプロジェクトに強みを持つ専門家として独立し、高単価案件を獲得する。
これらの分岐点に進むためには、PMO業務の中で意識的に「越境行動」を積み重ねることが鍵になります。
PMOからキャリアを拡張できる人・できない人の違い
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拡張できる人が日常業務で意識していること
キャリアを広げられるPMOコンサルタントに共通するのは、「業務の遂行」と「業務の観察・言語化」を同時に行っている点です。
具体的には、次のような意識の違いがあります。
- 拡張できる人:「なぜこのプロジェクトはこの課題を抱えているのか」「PMが下した判断の背景にある経営的な論理は何か」を常に問い続け、自分なりの仮説を持つ
- 留まりやすい人:「今週のタスクを漏れなくこなすこと」に集中し、プロジェクト全体の文脈や意思決定の構造に関心を向けない
日常業務の中で「Why」を問い続ける習慣が、PMO経験を上流スキルへと昇華させる起点になります。
PMOの経験を「強み」に変換する視点
PMO経験者が持つ強みは、再定義することで大きな武器になります。
| PMO業務での経験 | 上位職種での言語化 |
|---|---|
| 複数部門との調整 | ステークホルダーマネジメント能力 |
| 進捗・リスクの可視化 | プロジェクトガバナンスの設計・運用 |
| 報告資料の作成 | 経営層への情報整理・コミュニケーション |
| 課題管理台帳の運用 | 問題の構造化・優先順位付け |
この変換作業を意識的に行うことが、次のキャリアへの橋渡しになります。
キャリア拡張のための5つの戦略
戦略1:PMに近い動きを意図的に取り、実績を作る
現在のプロジェクトの中で、PMが担う役割の一部を積極的に引き受けることが有効です。たとえば、「次回の経営報告の論点整理を自分がたたき台を作る」「スコープ変更の影響分析を自分主導で行う」といった小さな越境行動を積み重ねます。
重要なのは、その行動を実績として記録・言語化しておくことです。「PMO業務の一環として〇〇を判断し、△△という成果につながった」という形で残しておくことが、転職・昇格・独立の際に直接活きます。
戦略2:業務ドメイン知識を縦に深掘りする
PMO業務は、プロジェクトの種類を問わず横断的に適用できる反面、「特定の業界・領域に詳しい人材」としての差別化がしにくい側面があります。
自分が関わってきた業界(金融・製造・流通など)や機能領域(SCM・ERPなど)を意識的に深掘りすることで、「PMO+ドメイン専門家」というポジションが生まれます。このポジションは、単純なPMOコンサルタントよりも市場価値が高くなる傾向があります。
戦略3:上流工程(戦略立案・課題定義)に関与する機会を作る
上流工程への関与は、待っていても与えられません。自分から機会を作りにいく姿勢が必要です。
具体的なアプローチとしては、次のようなものが考えられます。
- プロジェクト開始前のフィジビリティ検討に参加できないか上長に相談する
- クライアントの課題整理ミーティングにオブザーバーとして参加する
- 社内の提案書作成チームに手を挙げて加わる
上流工程の「作法」を学ぶには、実際の場に身を置くことが最も効率的です。
戦略4:社外発信・ネットワーク構築でポジショニングを確立する
PMOコンサルタントとしての知見をSNSやブログ・勉強会などで発信することは、自分の市場価値を可視化する効果があります。「PMO業務を通じて気づいたプロジェクトマネジメントの落とし穴」「大規模プロジェクトで実際に機能したリスク管理の手法」といった実務に根ざした発信は、同業者・採用担当者・潜在クライアントの目に留まりやすくなります。
また、PMや戦略コンサルタントとの横のつながりを意識的に作ることで、転職・案件紹介・共同プロジェクトといった機会が生まれることがあります。
戦略5:資格・学習よりも「成果の言語化」を優先する
PMPやITILなどの資格は、一定の知識水準を示す証明として有効ですが、それ単体でキャリアが大きく動くことは少ないのが実情です。それよりも優先すべきは、これまでの業務で生み出した成果を具体的な数字・事実・文脈で語れるようにすることです。
「プロジェクト遅延を〇週間短縮した」「報告プロセスを見直し、会議時間を週あたり〇時間削減した」といった実績の言語化は、面接・提案・営業のあらゆる場面で即効性があります。
PMOから目指せる主なキャリアパス一覧
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PMへのステップアップ
PMOからPMへの移行は、最もオーソドックスなキャリアパスの一つです。PMO業務で培ったプロジェクト全体の俯瞰力・ステークホルダー調整力は、PMとして直接活用できます。社内での昇格・異動のほか、転職市場でもPMO経験者のPM候補としての需要は一定程度存在します。
ITコンサル・戦略コンサルへの転換
ITコンサルへの転換は、ドメイン知識や上流工程の経験を積んだPMOコンサルタントが目指す選択肢の一つです。戦略コンサルへの転換はより難易度が高く、ロジカルシンキング・仮説思考・クライアントへの提言経験が求められます。PMO経験だけで即転換するのは難しいケースが多いですが、上流工程への関与実績を積み重ねることで道が開けることがあります。
独立フリーランスとして高単価案件を獲得する
フリーランスのPMOコンサルタントとして独立する選択肢もあります。特定の業界・規模のプロジェクトに強みを持つ専門家として認知されることが、高単価案件獲得の鍵になります。独立後の案件獲得には、前述の社外発信・ネットワーク構築が特に重要になります。
事業会社の内部へ転じてCDO・CIO補佐を目指す
コンサルティングファームから事業会社へ転じ、DX推進部門やIT戦略部門でのキャリアを歩む選択肢もあります。PMO経験者は、プロジェクト管理の知見を活かしてCDO(最高デジタル責任者)やCIO(最高情報責任者)の補佐役として活躍できる場があります。
キャリア拡張を加速させるために今週できること
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「戦略はわかったが、何から始めればいいか」という問いに対して、今週の具体的なアクションを提示します。
① 自分の実績を3つ書き出す これまでのPMO業務で「自分が関与して変わったこと」を3つ、数字や事実を交えて書き出してください。うまく書けない場合、それ自体が言語化不足のサインです。
② 現在のプロジェクトで「越境できる業務」を1つ特定する PMの仕事の一部、上流の議論への参加、ドメイン知識の深掘りなど、今のプロジェクトの中で一歩踏み出せる場所を一つ見つけてください。
③ 自分のキャリアの「次の1年」を言葉にする PM・ITコンサル・独立・事業会社など、漠然とでも構いません。「1年後にどのポジションにいたいか」を文章で書いてみてください。言語化することで、日常の行動選択が変わり始めます。
よくある質問(FAQ)
PMOとPMの違いは何ですか?キャリア的にどちらが有利ですか?
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)はプロジェクトを「支援・管理する機能」であり、PM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクトの成果に責任を持つ「意思決定の主体」です。キャリア的にどちらが有利かは一概には言えませんが、意思決定の主体として動いた経験は、上位職種への転換時に評価されやすい傾向があります。PMO経験を活かしながらPMへ移行するルートは現実的な選択肢の一つです。
PMO支援コンサルティングはどのように進めるのですか?
PMO支援は一般的に、①現状診断・課題特定、②PMO機能の設計・合意、③管理基盤の構築・導入、④伴走支援・定着化、の4フェーズで進行します。特に重要なのは、導入時にPMOの権限範囲(どこまで判断できるか)を明文化することです。この設計次第で、PMOが調整役に留まるか、意思決定に関与できるかが大きく変わります。
PMO経験だけで戦略コンサルに転職できますか?
PMO経験のみで戦略コンサルへ転換するのは、難易度が高いケースが多いです。戦略コンサルは、課題定義・仮説構築・クライアントへの提言といった上流スキルを重視します。PMO業務の中で上流工程への関与実績を積み、ロジカルシンキングや業界知識を補強することが、転換への現実的なステップになります。
フリーランスのPMOコンサルタントとして独立するには何年の経験が必要ですか?
経験年数の目安は一概には言えませんが、一般的に3〜5年程度の実務経験を持ち、特定の業界・規模のプロジェクトで再現性のある実績を示せることが独立の現実的な条件の一つとされています。年数よりも「自分の強みを言語化できるか」「案件を自力で獲得できるネットワークがあるか」が重要です。
PMOからキャリアアップするために取るべき資格はありますか?
PMP(Project Management Professional)やITIL、情報処理技術者試験などは、知識の証明として一定の効果があります。ただし、資格よりも「実績の言語化」と「上流工程への関与経験」の方がキャリア拡張への即効性は高い傾向があります。資格は補完的な位置づけとして捉えるのが現実的です。
PMO業務をしながら上流スキルを身につけるにはどうすればいいですか?
現在のプロジェクトの中で、課題整理・提案書作成・経営層向け報告の論点設計などに積極的に関与することが最も効果的です。社内勉強会や提案活動への参加、PMや上位コンサルタントの思考プロセスを観察・模倣することも有効です。外部の学習(書籍・研修)は、現場での実践と組み合わせることで初めて定着します。
「PMOはつまらない」という評価は本当ですか?
「つまらない」と感じられる理由は、個人の能力ではなく案件のポジション設計にあります。調整役として扱われ、意思決定から切り離される構造では、PMOは「つまらなく」感じやすくなります。一方、ガバナンス設計や意思決定プロセスの構築に関与できる案件では、PMOは「仕組みを作る」経験を積むことができます。案件アサイン時に権限範囲を確認することが重要です。
PMOコンサルタントの市場価値を上げるために何をすべきですか?
市場価値を上げるために有効なアプローチは、①特定ドメインの専門性を深める、②上流工程への関与実績を作る、③成果を具体的な言葉で語れるようにする、④社外での発信・ネットワーク構築を行う、の4点です。これらを並行して進めることで、「PMO経験者」という一般的なラベルから、「〇〇領域に強いプロジェクト専門家」というポジションへの移行が可能になります。
PMOは辛い仕事ですか?どういう場合に辛く感じますか?
PMO業務が「辛い」と感じられるのは、意思決定から切り離され、自分の提案が採用されず、成果が「サポート」としてのみ評価される構造にある場合です。特に、リスクを発見しても対応策の検討に関与できない、優先順位を整理しても最終判断は別の場で下される、といった場面で「辛さ」が生まれます。一方、権限範囲が明確で、判断に関与できる案件では、PMO業務は「仕組みを作る」やりがいを持つことができます。
「PMOはやめとけ」と言われるのはなぜですか?
「PMOはやめとけ」という助言の核心は、PMO業務に留まり続けることでキャリアの選択肢が狭まるリスクにあります。PMO経験は「支援実績」として認められますが、「判断実績」として評価されにくく、外部市場から「PMO以外の仕事はできない人」と解釈されるケースがあります。ただし、これはPMO経験自体に価値がないという意味ではなく、「どのようなPMO案件を経験し、どう次につなげるか」という戦略の有無が重要です。