コンサル転職を考える人が、なぜファームの「偏差値ランキング」に過度に依存してしまうのか——livedoorニュースで紹介された書籍『仕事ができる人が陥る「社畜思考」』(著:渡辺直基、2025年5月刊)は、コンサルを目指す若手〜中堅層のキャリア観に鋭く切り込んでいます。
要点(記事の事実より)
- 本書はコンサル転職を目指す人が「偏差値ランキング上位に入れるかどうか」で一喜一憂する構造的な背景を指摘している
- インタビューに登場するA氏(20代・外資系コンサル勤務)は「とりあえずコンサルに入ってみた」という動機を持つ人が多かったと語っており、当初から「コンサルオファー」が選択肢として浮上していたという
- A氏は「本当に意味のある立場で関われる役割があること」「社内コミュニケーションがストレートに取れそうなのが自分に合っていると思ったこと」の2点でコンサルを選んだと述べている
- 書籍のインタビューでは「燃えてしまった」という発言が飛び出すほど、コンサルという仕事に熱量を持つ人物像も紹介されている
- 「コンサルは一歩のため」という動機で入社しキャリアとして活かしやすい反面、「他の側面はどうかと思っていてもそれは自分で考えていかないといけない」という言葉も残している
- 書籍の目次には「偏差値的なキャリアのモデルケースになるような人が近くにいるか」「コンサルキャリアを明示しやすい」といった観点も盛り込まれている
著者見解
採用市場で見ると、「偏差値ランキングでコンサルファームを選ぶ」候補者は今も一定数います。ただ私が実務で感じるのは、ランキング上位を目指すこと自体が問題なのではなく、「なぜそのファームでなければならないのか」が言語化されていない候補者が多いという点です。
候補者側から見ると、コンサル転職の意思決定軸は年収・裁量・成長環境・プロジェクトの質・カルチャーと多岐にわたります。ランキングはその一部の代替指標に過ぎないのですが、情報の非対称性が大きいため、見えやすい指標に頼るのは自然な行動でもある。特に20代前半〜中盤は「とりあえず上位ファーム」になりがちで、これはある意味で市場の情報格差の問題でもあります。
企業側の目線では、この構造を逆手に取ることができます。ランキング上位ではなくても、「何を任せるか」「誰と働くか」「入社後にどんなキャリアが描けるか」を具体的に言語化できているファームほど、意思決定軸が明確な候補者を確実に引き寄せられます。逆に言えば、求人票や面接で魅力づけができていないファームは、ランキング依存の候補者しか残らないリスクもあります。
キャリア戦略目線で言えば、転職先をランキングで選ぶこと自体をやめる必要はありませんが、「そのファームで自分はどう評価され、次のキャリアに何がつながるか」まで落とし込めているかが分かれ目です。特に30代以降は、ランキングよりも経験の再現性と市場価値への直結度で選ぶ候補者が増えてきます。
打ち手として企業側が今すぐできることは、スカウト文面や求人票に「このポジションに入ると、3年後にどんなキャリアが描けるか」を具体的に書くことです。それだけで、ランキング情報しか持っていない候補者との差別化ができます。
出典: なぜコンサルは偏差値ランキング上位に入れるかを気にするのか「仕事ができる人が陥る「社畜思考」」と題した書の実像の真相とビジネスエリートたちの一代記